CRMが失敗する10の理由

CRM導入前の課題

CRM導入後の問題

企業組織内の問題


CRM導入前の課題

1. 「CRMソリューション」という言葉に惑わされている

CRMという概念が登場してからパッケージベンダーは様々な観点からCRMソリューションを提案するようになり、「CRMソリューション」という言葉が溢れ、ユーザの立場からすると「自社の課題を解決するCRMシステムは一体どれなのだろう?」と悩まれることもあるのではないでしょうか。

効果が目にみえにくいCRMでは、目的や指標があいまいのまま導入すると活用しきれず、自分たちのやりたいことができなかったと後悔するケースもよくあることです。結果的に無駄な投資と結論づけてしまうケースも少なくありません。

大切なことは、CRMシステム導入前に、

  • 顧客との関係における自社の課題
  • 営業/マーケティング部門のニーズ
  • CRMに期待する効果

を明確にした上で、システム導入を検討することです。それが明確にならなければ、自社に合う最適なCRMシステムの選定も難しくなります。

2. CRMは誰が利用するもの?

CRM導入のニーズは、CIOを任命するなど情報戦略に積極的な企業の場合は別ですが、主にマーケティング部門や営業マネージャーから出てくるケースが多いです。だからといって、導入したいと手を上げた部門や担当者だけが利用すればいいのかというと、CRMはそれほど単純なものではありません。

顧客戦略による売上アップや顧客満足度向上は、経営戦略の重要なポジションに位置づけられています。そのため、CRM導入が特定部門から提案されたとしても、利用はその事業にかかわる全ての担当者達で共同利用できる体制を確立しなければならないでしょう。

3. CRMを導入すると売上が上がるという妄想

CRMはツールを導入すれば効果があると思われる方もいるのではないでしょうか。しかし、「導入=売上が上がる」と安易に考えすぎてしまうと好ましくない結果に陥ることもあります。実際、CRM効果が出るには単にCRMツールを導入しただけではありません。

CRMのような戦略型システムの場合、成否を決定するのは、「自社の戦略実現に向けて、システムの運用体制が確立したか。また、CRMからどれだけの情報を得ることができたか」ということになります。つまりCRMによって売上アップや顧客ロイヤリティ向上させるには、システム導入ではなく、CRMシステムをどれだけ活用したかがポイントとなります。

4. 高額・高機能なCRMシステムの導入に入りすぎた

CRM製品には、海外ベンダ等の数千万から数億円する高額な製品から、最近では廉価なCRM製品やクラウドサービス(SaaS、ASPサービス)が登場するなど様々あります。

高額なシステムは高機能なため効果が大きいように考えがちですが、CRM活用していく上で、必ずしも「機能数が多い=効果に結びつく」わけではありません。
顧客数がそれほどなければ、高度なデータ分析機能は必要ありませんし、必要以上に入力項目の多いCRMシステムは、利用者の負荷を増加させるだけとなります。
また、システム導入に踏み込んでいくと、システム担当者同士のシステム面での問題を重視するあまり、CRMでの本来の目的を見失うことにもなりかねます。

CRM製品導入の前に、CRM導入の目的は何なのか?自社に必要なCRM機能は何なのか?ということを明確にし、事業規模、組織構造に適合したCRM製品を導入しなければ、導入後うまく利用されず、システムが陳腐化してしまう恐れがあります。
大切なことは、「身の丈に合ったCRMの導入」です。
また、将来的に事業の成長と組織変更に対応できるよう、拡張性のあるCRM製品を選択すると良いでしょう。

これらの問題をCRMコンサルタントと共に解決するには


CRM導入後の問題

5. 導入して初めて気付く「そもそもCRMって何に役立つの?」

ERP等の業務効率型システムや、メールサーバ、Webサーバ等のインフラ型システムは目的が明確ですが、CRMは、その導入目的やCRM戦略を明確にしておかないと、導入後「CRMを何に役立てるか」が曖昧のまま運用開始されてしまいます。そうすると、何千万円もかけて導入したCRMシステムが結果的に単なる「顧客リスト」になっていたり、「問合せ履歴データベース」としか使われていない状況となっていたりします。このような場合、導入計画時点での失敗をしているケースが多いものです。CRM導入前に目的を明確にすることが必要です。

6. 「費用対効果が見えない!」と言われたCRMの悲劇

「費用対効果が見えない!」と言われるCRMの多くは、CRMシステムが顧客リストDBや、問合せ管理DBなどとしてしか使われていないか、費用対効果をモニタリングする仕組みがないかのどちらかです。効果指標を設定し、効果測定してみると、正しい運用と施策が実施されていれば、大抵効果が現れてきます。ただし、様々な側面から顧客獲得や売上に繋がっているため、CRMの効果が現れないとすれば、運用面や商品力等、CRM以外の問題も検証してみる必要があるでしょう。

7. 営業現場から「入力が面倒!」と言われた

BtoBビジネスにおけるCRMは、営業プロセス管理(SFA)を中心にデータ収集することが多く、システムが導入されると、営業マネージャーやマーケティング担当者が、現場の営業担当者にシステムの指定場所への入力依頼をしてシステムの運用が開始されることがほとんどではないでしょうか。
この流れは、営業担当からすると、反発の対象になり得ます。日本の多くの企業の営業担当は、商談管理情報は自分で管理していることが多く、「SFA/CRMに入力しろ」と言われることは、余計な作業が増えることにしか受け取れないからです。
営業担当は、SFA/CRMへのデータ入力がマネージャーやマーケティング担当者のためのものではなく、入力した情報が活用され、セールスリード獲得や顧客満足度に繋がるのであれば、例え少々面倒な作業でも、売上アップのためにSFA/CRMシステムを利用するようになります。
特にBtoBビジネスにおけるCRM導入時は、導入目的、戦略、運用体制を明確にし、CRM利用のストーリーを利用者達に理解してもらうところがCRM運用のスタートとなるでしょう。

8. 導入後、放置されているCRMシステム

CRM導入(購入 ∼ 運用)には、費用と時間がかかります。 多くの企業では、システム導入に全力を注いでしまい、一旦導入してしまえば、利用者任せということがあります。
CRMは、利用するにつれユーザが望むレベルも上がり、また事業の成長とともに必要な機能も増えていきます。従って、CRMシステムは定期的にユーザのヒアリングや評価を行い、利用者ニーズと事業規模の成長に伴ってシステム機能を拡張させていかなければなりません。

また、CRM導入後うまく運用されていないために諦めてしまってCRM運用を辞めてしまうケースも見受けられますが、現在CRM効果が出ていなくても、CRMシステムというインフラがある以上、運用体制やCRM戦略を見直すことで復活させることができるのです。

これらの問題をCRMコンサルタントと共に解決するには


企業組織内の問題

9. うちの会社の経営陣にそもそも事業戦略がない?!

「経営陣に事業戦略が無いから、うちの会社ではCRMがうまくいかない」とコメントされる企業のマーケティング担当者が非常に多いです。しかし、大抵の企業の経営陣は事業戦略を立案していて、ただそれを全社にうまく伝えられている企業とそうでない企業があるだけなのではないでしょうか。問題の多くは、戦略が無いのではなく、経営陣と現場との乖離があって戦略が理解されていないだけなのです。

CRMを利用するには、もう一度経営陣やマネージャーの声に耳を傾け、自社の事業戦略を理解し、戦略を実現するCRMの役割を確認する必要があるでしょう。

10. 事業部門間の壁があり、全社レベルでCRMが利用されていない

ある程度の事業規模の企業では、社内に複数の事業部門(営業部門)が存在し、それぞれ別々の製品やサービスを商材として取扱っています。そうすると、部門によりCRMの必要性に対する温度差もあり、CRMへのニーズも異なります。

米国のCRM製品の多くは、CRMはエンタープライズソリューションであり、全社で利用して価値が生まれるとありますが、日本の企業の場合、事業部門の独立性を尊重したマネジメント体制を取る傾向にあり、必ずしも全社で同じCRMを運用することがベストとは限りません。
部門毎にCRMを導入したり、マスター顧客データベースを共通にして、各部門特有のGUIや機能を用意したりするなど、組織やビジネスの構造に応じて、臨機応変な対応をすることが必要でしょう。

これらの問題をCRMコンサルタントと共に解決するには

2007/3/20


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